歯ぎしりや食いしばりといった悪習癖は、インプラントにとって極めて有害であることをご存知でしょうか。いずれも無意識に行いがちな習慣であり、知らず知らずのうちにインプラントの寿命を縮めることとなるためご注意ください。今回はそんな歯ぎしりとインプラントの関係についてわかりやすく解説します。

▼歯ぎしりの何が悪い？

歯ぎしりや食いしばりはお口の健康にとって有害であることは皆さんもご存知かと思います。ただ、どういったメカニズムで歯や歯周組織に悪影響を与えるのかはわかりにくいですよね。そこでまず知っておいていただきたいのがヒトの噛む力の強さです。成人男性が噛む力というのは60kg以上に及ぶのが一般的で、力の加減ができない歯ぎしりに至っては、100kg近い圧力が発生するともいわれています。その結果、歯や歯周組織、顎の関節に深刻なダメージを与えるのです。

▼インプラントへの影響は？

歯ぎしりによるインプラントへの悪影響としては、上部構造の破折が挙げられます。上部構造はセラミックで作らており、歯ぎしりのような強い力が加わると、圧力に耐えきれず割れてしまいます。歯周組織に炎症が起こって顎の骨が破壊されると、埋入した人工歯根が脱落します。ですから、歯ぎしり・食いしばりといった悪習癖は、インプラント治療前に改善しておくことが望ましいのです。

▼まとめ

このように、歯ぎしりとインプラントには密接な関係が認められます。歯ぎしりは、インプラントの寿命を縮めるリスクでしかありませんので、放置することだけはやめましょう。